原位置凍結サンプリング

目的

砂、砂質土および礫質土地盤の
高品質な乱さない試料の採取

利用法

  • 砂、砂質土および礫質土の静的、動的強度(液状化)、動的変形特性の把握
  • 高精度な応答解析への活用

性能設計における地盤性状の把握では、砂質地盤の力学性状を正しく求めることが重要になりますが、サンプリング時の試料の乱れのため、高品質の乱さない試料を採取することは難しいことが多々あります。このため、ある程度の強度、剛性、液状化強度を持ちながら、採取時における乱れのためその挙動を過小評価することもあります。原位置凍結サンプリングは、砂地盤や礫質土地盤を対象とした高品質な乱さない試料の採取技術です。砂地盤や礫質土地盤の強度・変形特性を正しく評価するためには、室内試験用の高品質な乱さない試料が必要です。凍結サンプリングは、地盤の土粒子構造を保った状態で膨張させることなく徐々に地盤を凍結させ、その凍った地盤からコアボーリングにより凍結土を採取し室内試験に供します。サンプリングから室内試験の直前まで凍結した状態であり、乱れの影響の少ない試料を提供することができます。

原位置凍結サンプリングの適用条件

地盤条件・サンプリング条件

  1. 凍結に必要な飽和度の高い地盤
  2. 細粒分含有率が低い地盤
  3. 適度な拘束圧が得られる地盤
  4. 間隙水が逃げられる状態で凍結する。
  5. 凍結管から離れた部分よりコアを採取する。
採取した砂礫地盤

凍結サンプリングの貢献と実績

凍結サンプリングは1973(昭和48)年以来、現在までに約110件を実施しました。これらの調査目的は、橋梁基礎・高架橋基礎・土構造物・港湾構造物・共同溝・高層ビル・原子力発電施設などの重要構造物の基礎設計や液状化対策などの設計であり、加えて、耐震設計指針類(建築・道路・鉄道)における液状化強度の把握・設定です。これらの砂層や砂礫層の動的強度変形特性の詳細検討の実績は、①液状化対策工費の削減や基礎工事費の低減などのトータルコストの縮減、信頼性の高い支持力設計や高精度の耐震設計の実現、②安全性・信頼性の向上、③設計指針類における液状化強度の設定などの社会的貢献を果たしてきました。

凍結サンプリングの概要図

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